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セッションに譜面は持っていくのか — 黒本の版選びと、掲載1,415回のジャンル内訳で変わる要否

ジャムセッションに譜面を持っていくべきか。掲載中の今後の開催1,415回・139会場・36都道府県のうち、ジャンルが分かる601回を見ると、ジャズ系361回・66会場では譜面が共通言語として機能し、ブルース系35回では12小節の形式が譜面の代わりになります。黒本(ジャズ・スタンダード・バイブル)の通常版・in B♭・in E♭・FOR VOCAL の選び分け、譜めくりの現実、コピーと著作権の線引きを一次資料つきで整理しました。

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ジャムセッションに初めて行く日、譜面を持っていくかどうかで迷う人は多いです。手ぶらで行って曲が分からなかったら困る、かといって譜面にかじりついたまま終わるのも避けたい。この迷いには現場ごとの答えがあります。セッションマップに掲載中の今後の開催は 1,415回・139会場・36都道府県。このうちジャンルが分かる601回を並べ替えると、譜面が共通言語として動く層と、譜面がなくても形式で回る層に、はっきり分かれます。ここでは内訳と、黒本(『ジャズ・スタンダード・バイブル』)の版の選び分け、当日の譜めくり、コピーと著作権の線引きまでを整理します。

譜面が要るかどうかは、ジャンルの分布に出ている

掲載中の今後の開催1,415回のうち、ジャンルのタグが付いているのは601回です。系統ごとに数えると、広がり方がまったく違います。

系統今後の掲載会場数都道府県譜面の役割
ジャズ系(ジャズ・スタンダード)361回66会場28曲を共有する共通言語
ファンク・ソウル系128回19会場8リフとキメの確認用
歌モノ系(ボーカル・ポップス)124回27会場13自分のキーを伝える道具
ブルース系35回18会場13形式が譜面の代わりになる

読み方は2つあります。ひとつは、譜面文化がいちばん濃いジャズ系が361回と最大で、28都道府県66会場に散っていること。もうひとつは、ファンク・ソウル系が128回ありながら19会場8都道府県に集中していることです。つまり多くの人が最初に出会うのはジャズ系の現場で、そこでは譜面が前提として動いています。

残りの3系統では、譜面の役割が変わります。ブルース系は35回・18会場・13都道府県で、回数は少ないのに散らばりがいちばん広い系統です。ここでは12小節の形式そのものが共有物なので、キーと曲名が決まれば譜面がなくても進みます(ブルースセッション入門)。ファンク・ソウル系128回では、譜面は曲全体ではなくリフとキメの確認に使われます。歌モノ系124回では役割がもう一段変わり、歌う人が自分のキーの譜面を持っていくのが実務になります。原曲のキーで歌えるとは限らないため、伴奏する側が読む譜面を歌い手が用意する形です。開催中の現場は ファンクボーカル の各一覧にまとまっています。系統ごとの回数と会場の関係は ジャムセッションの前に何を練習するか でも別の角度から扱っています。

ジャズ系361回の共通言語「黒本」と、版の選び方

ジャズ系のセッションでは、その場で集まった初対面のメンバーが曲名とキーだけで演奏を始めます。これが成立するのは、参加者が同じ譜面集を見ているからです。日本の現場で広く使われているのが、リットーミュージックの『ジャズ・スタンダード・バイブル』、通称「黒本」です。ベーシストの納浩一による選曲で 227曲 を収録し、メロディ譜とコードネームが1曲1ページにまとまっています。A4変形判256ページで、有名曲20曲のテーマ演奏とマイナスワンを収めたCDが付属します。

同じ本を持っている人同士なら、「◯◯を黒本のキーで」と言うだけで話が済みます。譜面を見ながら弾くことは、ジャズ系の現場では準備不足の印ではなく、その場で曲を共有するための手続きです。進み方そのものは ジャズセッション入門 にまとめています。

版を間違えると、隣の人と音が合わない

黒本でいちばんつまずきやすいのが版の選択です。管楽器の多くは移調楽器で、譜面に書かれた音と実際に鳴る音が違います。ヤマハの解説によれば、テナーとソプラノのサクソフォンは in B♭、アルトとバリトンは in E♭ で、テナーサックスで譜面のドを吹くとピアノのシ♭が鳴ります。だから同じ曲でも、パートによって読むべき譜面が変わります。

パート選ぶ版理由
ピアノ・ギター・ベース・ドラム通常版(in C)実音のまま読むため
テナー/ソプラノ・サックスin B♭B♭楽器として移調済み
アルト/バリトン・サックスin E♭E♭楽器として移調済み
ボーカルFOR VOCAL歌詞が読める形で載っている

in B♭ 版と in E♭ 版はどちらも227曲を収録し、それぞれの調に移調した状態で出版されています。ボーカル向けの FOR VOCAL は収録が 123曲 で、歌詞を1ページまるまる使って大きく掲載する作りです。歌う人の準備は セッションで歌う本番術 も合わせて読めます。

持ち運びを重視するならハンディ版という選択もあります。in E♭ ハンディ版はA5変形判256ページのリング製本で、楽器ケースに入れて運べる大きさです。管楽器での参加は サックスでジャムセッションに参加する で詳しく扱っています。

黒本が役に立つ、ジャズ系セッションが多い会場

掲載回数の多い順に挙げます。回数は掲載中の今後の開催分です。

エリア会場今後の掲載
東京・歌舞伎町ゴールデンエッグ51回
東京・水道橋東京倶楽部35回
茨城・桜川市Jazz Live Spot Village27回
沖縄・浦添groove25回
東京・多摩センター音楽工房コルコバード19回
東京・北新宿Cafe Dolce Vita18回
滋賀・草津市サンライズ音楽広場17回
愛媛・松山JAZZ IN GRETSCH12回

東京都が181回・17会場で最大ですが、茨城・沖縄・滋賀・愛媛にも二桁の回数を持つ会場があります。最新の日程は ジャズセッション一覧スタンダード一覧 で確認できます。

当日つまずくのは、譜面の中身より扱い方

用意した譜面が現場で機能しないことがあります。原因のほとんどは扱い方です。

  • 譜めくり: ベースとドラムは演奏中ずっと手がふさがるため、1曲の途中でページをめくれません。見開きで完結する譜面か、暗譜できる曲を選ぶ形になります。パート事情は ベースドラム の各ガイドにあります。
  • 枚数: 何冊も持ち込むと、曲が決まってから譜面を探す時間が生まれます。持っていくのは1冊と、その日に弾きたい数曲分に絞ると動きが速くなります。
  • 譜面台: 会場に譜面台がない場合があります。事前に会場ページの設備情報を見ておくと当日の想定が立ちます。
  • タブレット: 画面で表示する場合は、明るさを落とすことと、演奏中に画面が消えない設定にしておくことが実務になります。

コピーと著作権は、参加者側と会場側で線が違う

譜面まわりでよく混同されるのが著作権です。関係する条文は2つあり、扱う主体が違います。

著作権情報センター(CRIC)の解説によれば、著作権法第30条の私的使用のための複製は、自分自身や家族、ごく親しい少人数の友人など限られた範囲内で使うことを目的とする場合に認められます。セッションの参加者に配るために複製することは、この「限られた範囲」の説明とは別の話になるため、配布を前提にしたコピーは行いません。

第38条の営利を目的としない上演等は、営利を目的とせず、聴衆や観衆から料金を受け取らず、演奏する人に報酬を支払わない、という3条件をすべて満たす場合の規定です。参加費やドリンク代がかかるセッションは、この3条件とは状況が異なります。

では誰が手続きするのかというと、これは会場側の領域です。JASRACの説明では、ライブハウスにおける生演奏は店が包括的許諾契約を結び、契約店が利用曲目を報告する仕組みになっています。包括的許諾契約は、JASRACの管理する全ての楽曲を許諾条件の範囲内で何回でも利用できる契約方式です。参加者が曲ごとに手続きをするものではありません。

条件は会場と楽曲によって異なるため、判断に迷う場合は会場に直接確認するのが確実です。録音・撮影とSNS投稿の扱いは 録音・撮影・SNS投稿マナー にまとめています。

初参加までに譜面を用意する5つの手順

  1. 行く現場の系統を確認する。掲載ページでジャンルを見て、ジャズ系なら譜面を前提に、ブルース系なら形式を前提に準備します。
  2. 自分のパートに合う版を選ぶ。実音楽器は通常版、テナー/ソプラノ・サックスは in B♭、アルト/バリトン・サックスは in E♭、歌う人は FOR VOCAL です。
  3. その日に弾く2〜3曲を決めて先に通す。譜面があっても、初見のまま人前で弾くのは負荷が高くなります。
  4. 見開きで完結するかを確かめる。ページをまたぐ曲は、めくる余裕があるパートかどうかで扱いが変わります。
  5. 会場ページで設備と初心者情報を見ておく。譜面台の有無と初参加の受け入れ方は会場ごとに違います。

参考・出典

次の一歩

行きたい系統が決まったら、日程から現場を選びます。譜面を持っていく前提なら ジャズセッション一覧、身ひとつで形式に乗るなら ブルースセッション一覧 が入口です。当日の持ち物全般は 手ぶらで行けるジャムセッション にまとめています。

よくある質問

ジャムセッションに譜面は持っていったほうがいいですか?
行く現場の系統によって変わります。掲載中の今後の開催1,415回のうちジャンルが分かる601回を見ると、譜面が共通言語として動くジャズ系が361回・66会場・28都道府県ともっとも広く、初めて行く現場がここに当たる可能性が高くなります。一方でブルース系35回は12小節の形式そのものが共有物のため、キーと曲名が決まれば譜面がなくても進みます(2026年8月26日時点)。
黒本とは何ですか?
リットーミュージックが出版する『ジャズ・スタンダード・バイブル』の通称です。公式の商品情報によれば、ベーシストの納浩一による選曲で227曲を収録し、メロディ譜とコードネームを掲載しています。判型はA4変形判256ページで、有名曲20曲のテーマ演奏とマイナスワンを収めたCDが付属します。同じ本を参加者が共有していることで、曲名とキーだけで演奏を始められます。
黒本はどの版を買えばいいですか?
自分のパートで決まります。ピアノ・ギター・ベース・ドラムは実音のまま読む通常版、テナーとソプラノのサックスは in B♭、アルトとバリトンのサックスは in E♭、歌う人は FOR VOCAL です。ヤマハの解説では、サクソフォンは実際に出る音と楽譜に記された音が異なる移調楽器で、テナーサックスの譜面のドはピアノのシ♭にあたると説明されています。in B♭ 版と in E♭ 版はどちらも227曲、FOR VOCAL は123曲を収録しています。
譜面をコピーして参加者に配ってもいいですか?
配布を前提にした複製は行いません。著作権情報センター(CRIC)の解説では、著作権法第30条の私的使用のための複製は、自分自身や家族、ごく親しい少人数の友人など限られた範囲内で使うことを目的とする場合に認められるとされています。セッションの参加者へ配るための複製は、この説明とは別の話になります。条件は会場と楽曲によって異なるため、迷う場合は会場に直接確認してください。
セッションで演奏する曲の著作権手続きは、参加者がするのですか?
会場側の領域です。JASRACの説明では、ライブハウスにおける生演奏は店が包括的許諾契約を結び、契約店から利用曲目の報告を受ける仕組みになっています。包括的許諾契約は、JASRACの管理する全ての楽曲を許諾条件の範囲内で何回でも利用できる契約方式です。参加者が曲ごとに手続きをするものではありません。なおCRICによれば、著作権法第38条の営利を目的としない上演等は、営利目的でなく、聴衆から料金を受け取らず、演奏する人に報酬を支払わない3条件をすべて満たす場合の規定です。
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