「ブルースセッションに出てみたいけれど、ジャズみたいに難しいコードを覚えないと無理なのでは」——そう感じて足が止まっている人は多いはずです。結論から言うと、ブルースセッションは数あるジャムセッションのなかでも、もっとも間口が広い入口です。覚えることが少なく、キーとリズムさえ共有できればその場で一曲が成立します。このページでは、12小節ブルースの仕組み、ジャズ・ファンクとの違い、最初に覚える定番曲、東京・神奈川で今開かれている会場、そして初参加当日の流れまでをまとめます。
ブルースセッションが「いちばん入りやすい」理由
ブルースの土台は 12小節ブルース と呼ばれる進行です。1コーラスが4拍子の12小節で、I・IV・V(1度・4度・5度)の3つのコードだけで構成されます。さらにブルースでは、この3つを長三和音ではなく ドミナント7th(I7・IV7・V7) で鳴らすのが定番です。度数で覚えてしまえば、キーが変わってもコードは自動的に決まります。たとえばキーがAなら A7・D7・E7、キーがEなら E7・A7・B7、という具合です。
この「型がひとつ」という性質が、ブルースセッションを初心者に開いています。曲ごとにコードを丸暗記する必要がなく、12小節の流れが体に入っていれば、知らない曲でも輪に入れます。アドリブも、マイナーペンタトニックスケールひとつで12小節全体を弾き通せるのが入口です。速いフレーズより、リズムのノリ(グルーヴ)にハマっているかが大事にされます。
ジャズ・ファンクセッションとの違い
ジャズセッションは「テーマ→ソロ回し→テーマ」で、曲ごとにコード進行が複雑に変わります。ファンクセッションは「リフ(短い繰り返しフレーズ)」を全員で弾き続けるのが前提で、その曲のリフを知らないと入りにくい。これに対してブルースは、進行の型が共通なので、初対面同士でも「キーはA、シャッフルで」と決めるだけで始められます。基本リズムはシャッフルで、ほかにスローブルース(3連)、ストレートの8ビートも登場します。
最初に覚える定番曲
ブルースセッションで遭遇率が高い曲を挙げます。ギター専門誌の選曲とセッション現場の実務でくり返し挙がる、定番中の定番です。原曲を聴いて、12小節のどこでコードが変わるかを口ずさめるようにしておけば十分です。
| 曲名 | 目安のキー | リズム | 一言メモ |
|---|---|---|---|
| Sweet Home Chicago | E / A | シャッフル | シャッフルブルースの代表格。最初の一曲に最適 |
| Stormy Monday | G | スロー(3連) | スローブルースの代名詞。じっくり歌わせる定番 |
| The Thrill Is Gone | Cm | スロー | マイナーブルース。哀愁のあるソロが映える |
| Everyday I Have the Blues | — | シャッフル | アップテンポで盛り上がる王道 |
| Crossroads | A | ストレート | ロック寄りのドライブ感。8ビートで突進する |
メジャーキーの12小節(Sweet Home Chicago など)と、マイナーブルース(The Thrill Is Gone)の両方に触れておくと、当日「どっちで来ても対応できる」状態になります。
東京・神奈川のブルースセッション会場
セッションマップに掲載中の、今後ブルース系セッションが予定されている会場です(2026年6月時点・開催が多い順)。最新の開催日と初参加の可否は各会場のページで確認してください。
| エリア | 会場 | 傾向 |
|---|---|---|
| 福生(東京) | Cafe de Noel(カフェ・ド・ノエル) | ブルース回が定期的に立つ多頻度の現場 |
| 荻窪(東京) | Live Cafe Rooster | 受付から進行までの作法が明快で初心者が動きやすい |
| 歌舞伎町(東京) | ゴールデンエッグ | ジャンルが幅広く、ブルースも拾える都心の現場 |
| 白楽(神奈川) | BLUES ETTE | 店名どおりブルース/歌もの寄り |
| 南林間(神奈川) | 南林間ハイダウェイ | 郊外のアットホームな回 |
| 飯田橋(東京) | 飯田橋Space With | 初参加・お一人様歓迎をうたう運営 |
初心者の参加手順
- 「初参加OK」と表示のある回を選ぶ。 セッションマップでブルースセッションを開き、エリアと開催日から今夜・今週行ける現場を探します。
- 定番曲を1〜2曲、12小節の流れで予習する。 完璧なコピーは不要で、コードが変わるタイミングを口ずさめれば十分です。
- マイナーペンタトニック一発のソロを用意する。 キーAなら A マイナーペンタを指に入れておけば、それだけで12小節を弾き切れます。
- 受付で「初めてです」と伝える。 ホスト(進行役)がキー・リズムを配慮し、入りやすい順番にしてくれます。
- 「キーは?リズムは?」を聞いて入る。 ボーカルやハープに合わせてキーが決まることが多いので、その場で確認して合わせます。
自宅での予習にはコード譜+自動伴奏アプリが効く
12小節を体に入れるには、コード譜とバッキングを一緒に再生できる iReal Pro のようなアプリが便利です。キーを移調したりテンポを落としたりしながら、本番と同じ「進行をループで回す」練習ができます。曲リストを共有する文化もあり、定番ブルースの進行はそのまま手に入ります。
参考・出典
- Twelve-bar blues — Wikipedia(12小節ブルースの構造とドミナント7thの扱い)
- 12 Bar Blues — Music Theory Academy(I・IV・Vの3コードとターンアラウンド)
- Introduction to the 12 Bar Blues — Happy Bluesman(ブルースでドミナント7thを用いる理由)
- ブルース・セッション定番曲 — ギター・マガジンWEB(セッション頻出曲の選定)
- iReal Pro(App Store)(コード譜+自動伴奏アプリの公式情報)
型がひとつのブルースは、最初の一歩を踏み出すのに最適なジャンルです。まずはブルースセッションの一覧で近くの回を探し、当日の全体像は初めてのジャムセッションガイドで押さえておきましょう。