セッションに行ってみたいけれど、楽器を持って電車に乗るところで気持ちが止まる。あるいは、ドラムやピアノは店のものを使うと聞いたことはあるが、自分のパートで何が要るのか確信が持てない。セッションマップに掲載している245会場のうち、常設機材を確認して記録できているのは77会場で、そのうち48会場に今後の開催予定があります。このページでは、その77会場の記録と会場公式の一次情報から、パートごとに「会場にあるもの」と「持っていくもの」を分けて整理します。
会場に置いてあるのは、だいたい決まっている
記録できている77会場の内訳は、鍵盤(ピアノ・キーボード)の記載が49会場、ドラムが51会場、ベース関連(ベースアンプなど)が46会場、PAが27会場です。鍵盤とドラムの両方が確認できる会場は45会場あります。
つまり、セッションを開いている店の設備は「ピアノ・ベースアンプ・ドラム・PA」で一組になっていることが多い。ジャズ専門メディア ARBAN の連載「ジャムセッション講座」で、ジャズベーシストの納浩一氏はドラムとピアノについて「店に常設されているものを使うことになるので、ほぼ持ち込むことはないです」と述べ、一方で弦楽器や管楽器は演奏者の私物を持ち込むのが一般的だと説明しています。
この線引きは、練習用のリハーサルスタジオでも同じです。サウンドスタジオノアは公式FAQで、ドラムセット・ベースアンプ・ギターアンプ・PAセットをスタジオ料金に含まれる常設機材とし、ギターやキーボードなどの楽器本体は別料金のオプションだと案内しています。重くて動かせないものは場所に置き、身体に合わせて選ぶものは個人が持つ、という分け方です。
なお、掲載245会場のうち168会場は機材の記録がまだありません。記録がない=設備がない、ではありません。行く前に会場ページと店の公式情報を見る手間は、どのパートでも残ります。
パート別・当日かばんに入れるもの
ドラム:セットは会場のものを使います。持っていくのはスティック。サウンドスタジオノアもスティック・ピック・弦などの消耗品はレンタルせず販売のみと明記しており、消耗品は自前が前提です。ペダルやスネアにこだわりがある人は持ち込みますが、初回はスティックだけで成立します。
ピアノ・キーボード:鍵盤の記載がある49会場では、身体ひとつで着席できます。持つとすれば譜面で、それも会場によっては用意があります。手ぶら度がいちばん高いパートです。
ギター・ベース:アンプは会場にあり、本体とシールドは自分のもの、が基本形です。ここが「アンプがあるなら手ぶらで行ける」と誤解されやすい部分で、実際にはケーブル1本を忘れると音が出ません。チューナーとピックも小さいわりに現地調達しづらいものです。
管楽器:本体・マウスピース・リードを持参します。この扱いは後述のとおり、レンタルがある会場でも変わりません。
ボーカル:マイクは会場のPAに含まれます。持っていくのは歌う曲のキーを書いた譜面です。下北沢の Music Island O は公式サイトで、ギター・ベース・ドラム・マイク・アンプに加えて歌詞カードと譜面も用意していると案内しています。歌で参加する当日の動き方はセッションで歌う本番術にまとめています。
楽器本体を借りられる会場
記録できている77会場のうち、楽器本体の貸出・レンタル・置き楽器を明記しているのは12会場です。うち9会場に今後の開催予定があります。
| エリア | 会場 | 記録されている貸出・常設 |
|---|---|---|
| 東京・御徒町 | う・か・た UKT | ギター/ベース常設。ピアノ・ドラム・アンプ・PAあり |
| 東京・錦糸町 | J-flow | ピアノ・ベース・ドラムに加えサックスのレンタル |
| 東京・下北沢 | Music Island O | ギター/ベースアンプ・マイク常設、レンタル楽器あり |
| 東京・上野 | エブリィスイング | サックス・トランペット・トロンボーン・ギター・ベースのレンタル |
| 東京・浅草 | JAZOO浅草 | 各種楽器のレンタル可 |
| 東京・大塚 | 大塚 LIVE×BAR ○ | 貸し出し楽器あり、PA完備 |
| 東京・野方 | ALT_SPEAKER | 貸出のギター・ベース・ドラム、グランドピアノ |
| 東京・飯田橋 | 飯田橋Space With | 置き楽器のギター・ベース、電子ピアノ・各種アンプ |
| 東京・小岩 | Live Cafe BACK IN TIME | ギター・ベースの無料レンタル |
| 神奈川・藤沢 | Ocean's Beat | アコギ・エレキギター・ベース・ドラム・キーボード・サックス・ウクレレ |
| 茨城・土浦 | サケクラすのっぶ | 貸し楽器多数 |
| 山形・山形 | うちカフェ&バー 風の吹く丘 | ギター・ピアノ・カホンの貸出 |
12会場という数字は、楽器本体まで借りられる場所は例外的だと示しています。裏を返せば、この12会場は「楽器はまだ買っていないが試しに音を出してみたい」という段階の人が、機材をそろえる前に一度現場を見られる場所でもあります。貸出の可否と条件は会場ごとに違うため、各会場ページと店の公式情報で当日分を確認してください。
管楽器のレンタルは、口に当たる部分だけ別扱い
12会場のうち、管楽器まで借りられると記録できているのは3会場(錦糸町 J-flow、上野 エブリィスイング、藤沢 Ocean's Beat)です。エブリィスイングは公式サイトで、テナーサックス・トランペット・トロンボーン・ギター(ソリッド、セミアコ、フルアコ)・エレキベースのレンタルを案内しています。
ただし、Ocean's Beat は公式サイトのレンタル案内に「サクソフォンはマウスピース・リードをご持参ください」と添えています。ヤマハの「楽器解体全書」は、マウスピースの先端とリードの先端の開き具合が演奏上とても重要な要素であり、初心者はまず標準品に2 1/2のリードを合わせて基礎練習をするところから始めるとよいと説明しています。同じサックスでも、口に当たる部分は奏者ごとに違うため、本体は借りられてもマウスピースとリードは持参、という分け方になります。
手ぶらで初参加する日の進め方
- 自分のパートで何が要るかを決める:鍵盤・ドラム・ボーカルなら身体ひとつ+消耗品、ギター・ベース・管楽器なら本体とケーブルやリードを準備します。パートごとの役割はパート別ガイドで確認できます。
- 会場ページで常設機材を見る:全会場一覧から、行ける範囲の会場の機材記録と今後の開催予定を確認します。記録がない会場は、次の手順で直接確かめます。
- 店の公式情報で当日分を照合する:機材とレンタルの扱いは更新されます。公式サイトやSNSの直近の告知を見て、貸出の可否・料金・予約の要否をそろえて確認します。
- 借りる予定があるなら先に伝える:レンタル楽器は台数が限られます。予約や問い合わせの段階で「当日ギターを借りたい」と伝えておくと、当日の段取りが早くなります。
- 開始15〜30分前に入って現物を見る:常設のアンプやピアノは機種によって操作が違います。早めに入れば、順番が来る前に音量やセッティングを確かめられます。
- 1曲で帰ってもいい前提で行く:最初の1回は、機材と場の空気を確認するだけで十分です。演奏せず見学から始める選択肢も、多くの会場が用意しています。
持ち物の心配は、行く前に半分終わる
セッションで用意されているものは、店ごとにばらばらに見えて、実際には「重くて据え置くもの」と「身体に合わせて選ぶもの」で線が引かれています。この線さえ分かっていれば、準備で迷う時間はかなり短くなります。
初参加の全体の流れは初めてのジャムセッション、服装まで含めた準備は服装と持ち物にまとめています。今週どこで開いているかはジャズセッション一覧から確認できます。
参考・出典
- 初心者が知りたいジャムセッションの心得③|どんな楽器でも参加OK? 楽器別の留意点(ARBAN/ジャズベーシスト・納浩一) — ドラム・ピアノは店の常設、弦楽器・管楽器は私物という一般的な線引き
- サウンドスタジオノア よくある質問 — ドラムセット・ベースアンプ・ギターアンプ・PAは常設で料金に含む、楽器本体は別料金、消耗品はレンタルなし
- Music Island O ジャムセッション案内 — ギター・ベース・ドラム・マイク・アンプ、歌詞カードと譜面の用意
- エブリィスイング メニュー — テナーサックス・トランペット・トロンボーン・ギター・エレキベースのレンタル
- Ocean's Beat 公式サイト — レンタル楽器一覧と「サクソフォンはマウスピース・リードをご持参ください」の案内
- ヤマハ 楽器解体全書「サクソフォンの選び方:リードとマウスピースはどう選ぶ?」 — リードとマウスピースの相性、初心者向けの標準的な組み合わせ
会場ごとの機材記録と今後の開催予定は全会場一覧から確認できます。