セッションに行ってみたい、でも「バー」と付いた店に一人で入るところで気持ちが止まる。料金がいくらになるのか、お酒を頼まないといけないのか、演奏せずに帰ってもいいのか。セッションマップに掲載している244会場のうち、店名に Bar/バー が入っている会場は44軒あり、24都道府県に散らばっています。そのうち今後の開催予定が入っているのは25会場・17都道府県で、掲載できている枠は351回です。このページでは、その351回分の記録から、セッションバーの料金の仕組みと、初めての1軒を選ぶときに確かめる場所を整理します。
「セッションバー」という業態があるわけではない
44軒の店名を並べると、Jazz Bar、Live Bar、Music Bar、Session Bar と付き方がばらばらです。つまり、看板の言葉から中身は決まりません。決まっているのは、飲食の設備がある店が、ある曜日だけ演奏の場になるという使われ方のほうです。
351回の枠に記録されているジャンルは、ジャズが108回、ファンクが67回、スタンダードが14回、ブルースが13回、ジャンル指定のないセッションが12回、ボーカルが7回。ジャズ寄りではありますが、ジャズ一色でもありません。曜日で見ると平日が225回、土日が126回で、平日のほうが多くなっています。開始時刻は19時台が138回といちばん厚く、17時より前に始まる枠も60回あります。
ジャムセッション、セッションライブ、ライブの違いはジャム・セッション・ライブの違いに、現場で飛び交う言葉はジャムセッション用語集にまとめています。
料金が二段構えになっている
ここがいちばんつまずきやすいところです。351回のうち料金の記載を確認できたのは313回で、そのうち116回・12会場が「+1ドリンク」「+2オーダー」「テーブルチャージ」といった、参加費とは別のオーダーを明記しています。
つまり、告知に「2,000円」と書いてあっても、それは演奏に参加するための料金(ミュージックチャージ、MCと略されます)で、支払う総額はそこにドリンク1〜2杯分が乗る、という形です。記録に残っている参加費の幅は500円から3,500円ほどで、そこに1杯500〜800円前後のオーダーが加わると考えると、実際の持ち出しが見えてきます。学生料金を別に設けている枠も11回ありました。
この二段構えは、店の側の収入のかたちがそのまま料金表に出たものです。バーは飲食で成り立っている場所なので、演奏の場を開くぶんの費用を参加費で、店としての売上をオーダーで受け取ることになります。金額は変わりやすいので、最新の額は各会場ページと店の公式情報で確かめてください。東京の相場感は料金ガイドにまとめています。
演奏しない日があっていい
「セッションバー」と検索する人の多くが気にするのが、楽器を持たずに行っていいのかという点です。351回のうち、リスナー料金や見学料金を参加費と分けて明記している枠が42回・5会場あります。「参加1000円 見学700円」「リスナー¥1,500」のように、聴くだけの人の値段が最初から用意されている形です。見学できると記録できている枠は34回、予約が必要と記録できている枠は15回でした。
見学の日の過ごし方は見学・リスナー参加ガイドにまとめています。楽器店チェーンの島村楽器が運営する音楽サークルの取材記事でも、参加者のスキルを事前に把握してセットリストやパート人数を調整していること、そして「ほぼ毎回、一定割合で初参加の方がいます」と紹介されています。初回が初回であること自体は、その場では珍しいことではありません。
お酒と年齢の確認は、行く前に済む
オーダーが要るといっても、中身がアルコールである必要はありません。ソフトドリンクも1オーダーとして数えられるのが一般的で、記録に残っている表記も「1ドリンク」「1オーダー」で、種類の指定はされていません。飲めない人が来ることを想定していない店であれば、そもそもオーダー制の書き方になりません。
もうひとつ、年齢に関わる確認事項があります。健康増進法の改正により、2020年4月1日から屋内は原則禁煙になり、厚生労働省は喫煙できる場所には標識の掲示が義務づけられていること、20歳未満は来店客でも従業員でも喫煙エリアに立ち入れないことを案内しています。店内のどこが喫煙エリアなのかは標識で示されているので、20歳未満で参加を考えている場合は、店の公式情報で扱いを確かめておくと当日困りません。
その日に集まった人が好きな曲を出せるのも、店の側で手続きが済んでいるからです。JASRACは、バーやレストランなどの飲食店での生演奏を使用料規程の「社交場における演奏等」で扱い、包括契約を結んだ店は管理曲を条件の範囲内で何回でも使える形にしていると説明しています。曲を選ぶ自由は、店が引き受けている部分の上に乗っています。
今後30日に予定が入っている会場
今後30日のあいだに枠が3回以上入っている会場を、記録されているジャンルの傾向とあわせて並べます。
| エリア | 会場 | 今後30日の枠 | 記録されているジャンルの傾向 |
|---|---|---|---|
| 東京・下北沢 | Music Bar RPM | 30 | ファンク/ジャズ |
| 福岡・中央区 | Live Bar Michael | 30 | ジャズ |
| 東京・浅草 | Jazz Bar SOULTRANE | 27 | スタンダード/ジャズ |
| 沖縄・那覇 | Live music bar SOUND M'S | 9 | ジャズ/ブルース |
| 東京・歌舞伎町 | Bar aLive | 9 | ファンク/セッション |
| 愛知・名古屋市名東区 | LIVE & BAR SlowBlues | 8 | ブルース/ジャズ |
| 徳島・徳島市 | Music Bar Ricky | 6 | ジャズ/ブルース |
| 熊本・中央区 | musicBar BASEMENT | 5 | ジャズ/ボーカル |
| 北海道・札幌市中央区 | live&Bar Jass915 | 4 | セッション/ジャズ |
| 大阪・寝屋川市 | Session Bar Broad Bass | 4 | セッション/オープンマイク |
| 千葉・新松戸 | LIVE BAR CAVERN MATSUDO | 4 | ジャズ/ポップス |
| 宮城・大崎市 | Jazz café & bar TOUSA | 4 | ジャンルの記録なし |
| 千葉・千葉市中央区 | Jazz and Bar clipper | 4 | ジャズ/ラテン |
| 群馬・桐生市 | Jazz & Blues Bar Village | 3 | ジャズ/ボーカル |
今後30日の158回のうち、東京の枠は67回です。残りの91回は東京の外にあります。セッションバーは都市部だけの話ではないというのが、24都道府県という広がりに出ている部分です。
初めての1軒を選ぶ手順
- 通える範囲の会場を先に絞る:全会場一覧から、自宅や職場から動ける距離の会場を選びます。一次会で終われる距離かどうかが、2回目に行くかどうかを分けます。
- 料金表記の「+オーダー」を確認する:参加費の数字だけでなく、ドリンクやチャージが別に書かれていないかを見ます。書かれていれば、その分を足した額を持っていきます。
- 初回は見学かリスナーの枠を選ぶ:リスナー料金が用意されている枠なら、演奏せずに1回分の流れを見られます。順番の回し方と曲の決め方は、見ているだけでもつかめます。
- 予約の要否を店の公式情報で照合する:予約が必要と記録できている枠もあります。掲載情報と店の直近の告知を突き合わせて、当日分を確かめます。
- 開始時刻の30分前に入る:19時台開始の枠が多いので、18時台に入っておくと席を選べます。飲み物を頼んで座ってしまえば、あとは順番を待つだけになります。
名前のハードルは、料金表で下がる
セッションバーという言葉が持つ入りにくさは、店の性格そのものより、総額がいくらになるか読めないことから来ている部分が大きくあります。参加費とオーダーが分かれていること、聴くだけの値段が別にあること。この2つが分かると、行く前に必要な準備はかなり減ります。
初参加の全体の流れは初めてのジャムセッション、当日の持ち物は手ぶらで行けるジャムセッションにまとめています。今週どこで開いているかはジャズセッション一覧やファンクセッション一覧から確認できます。
参考・出典
- なくそう!受動喫煙(厚生労働省) — 2020年4月1日からの屋内原則禁煙、喫煙できる場所への標識掲示の義務、20歳未満は来店客・従業員ともに喫煙エリアへ立ち入れないこと
- 飲食店や宴会場における生演奏(JASRAC) — バー・レストランなどの飲食店での生演奏は使用料規程「社交場における演奏等」で算出、包括契約は管理曲を条件の範囲内で何回でも利用できる方式
- 内輪ノリは一切ナシ!初参加でも安心してセッションを楽しめる(島村楽器 Happy Jam) — 参加者のスキルを事前に把握してセットリストとパート人数を調整、毎回一定割合で初参加者がいること
- ジャムセッションやるなら知っておきたい7店〈東京編〉(ARBAN) — 週に3日以上セッションを開催している都内の店、昼のセッションやサブスク制など運営形態の違い
- ギタリストのためのジャム・セッション完全ガイド(リットーミュージック) — ジャンルレスとされるセッションにも定番曲とソロの進め方があること、音作りと持ち物の整理
会場ごとの今後の開催予定は全会場一覧から確認できます。