セッションで「何やりますか?」に答えられるように
ジャムセッションに初めて行くとき、料金や雰囲気の次に不安になるのが「何を演奏すればいいのか」。
ステージに上がって「何やりますか?」と聞かれたとき、曲名が出てこないと気まずい。でも安心してください。ジャズのジャムセッションには「定番曲」があって、それを何曲か押さえておけば、どの会場でもセッションに参加できます。
ここでは、東京のジャムセッション会場で実際によく演奏されている曲を中心に、初心者がまず覚えるべき10曲を紹介します。
まず覚えるべき10曲
1. Autumn Leaves(枯葉)
ジャムセッションの超定番中の超定番。この曲を知らないセッションプレイヤーはいないと言っていいくらい。マイナーキーのスタンダードで、コード進行がII-V-Iの練習にもなる。テーマもシンプルなので、初心者がまず最初に取り組む曲として最適。キーはGm(Bb譜でAm)が一般的。
2. Fly Me to the Moon
ボーカリストにもインスト奏者にも人気の1曲。明るくてテンポもミディアムなので、初心者が演奏しやすい。コード進行も素直で、アドリブの入り口として練習しやすい。キーはCメジャーが多い。
3. All of Me
古いスタンダードだけど、セッションでは今でもよく呼ばれる。32小節のABAC形式で構造がわかりやすい。テンポも自由に設定できるので、ミディアムスイングで気持ちよく演奏できる。
4. Blue Bossa
ボサノバのリズムで演奏するジャズスタンダード。Cmで始まってDbに転調するのが特徴。ラテンリズムが好きな人に人気で、ドラマーもブラシで参加しやすい。比較的シンプルなコード進行なので、ボサノバ入門にもなる。
5. Now's the Time / Billie's Bounce
チャーリー・パーカー作のブルース。ジャズのブルース(12小節)を覚えるならこの2曲がセット。キーはFメジャー。ブルースはセッションの基本中の基本で、「ブルースやりましょう」と言われたらこのコード進行で演奏する。
6. There Will Never Be Another You
明るいメジャーキーのスタンダード。テーマが美しく、コード進行もきれいに流れる。中級者以上にも人気があるので、初心者のうちから覚えておくと長く使える。
7. Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)
3/4拍子(ワルツ)の定番。4ビートの曲ばかりだと単調になるので、ワルツを1曲持っておくとセッションの幅が広がる。ディズニー映画の曲なのでメロディも馴染みやすい。
8. Cantaloupe Island
ハービー・ハンコック作。コードが4つしかないので、コード進行が苦手な人でも取り組みやすい。ファンキーなグルーヴが気持ちよく、ロック/ファンク出身の人がジャズセッションに入るときの橋渡しにもなる。
9. Softly, as in a Morning Sunrise
マイナーキーのスタンダード。Autumn Leavesと同じくマイナーII-V-Iの練習になる。テンポを上げてアップテンポで演奏することも多く、中級に進む足がかりになる曲。
10. On Green Dolphin Street
イントロのルバート(テンポフリー)部分からスイングに入る構成が独特で面白い。中級者向けの曲だけど、セッションで非常によく演奏されるので、余裕があれば早めに覚えておきたい。
ブルースは必須
上のリストでも触れましたが、ジャズのブルース(12小節)は必ず覚えてください。キーはFメジャーとBbメジャーが最も多く、次にCメジャー。
「ブルースやりましょう、Fで」と言われて、すぐにコードが出てくるようにしておくこと。テーマを知らなくても、ブルースのコード進行さえわかっていればアドリブで参加できます。
リズムチェンジも覚えておこう
「リズムチェンジ」とは、ガーシュウィンの "I Got Rhythm" のコード進行のこと。Bbメジャーの32小節(AABA形式)で、このコード進行を使った曲がたくさんある(Oleo、Anthropologyなど)。
ブルースとリズムチェンジの2つを押さえれば、セッションで出てくるコード進行の半分以上をカバーできます。
選曲のコツ
セッションで曲を提案するとき、いくつかのコツがあります。
周りに合わせる: 自分が呼ばれたとき、前のグループがバラードを演奏していたら、テンポを変えてミディアムスイングを提案するなど。流れを読む。
テンポに注意: 初心者のうちは速すぎる曲を避ける。ミディアムテンポ(120〜160BPM程度)が安心。
キーを伝える: 曲名だけでなくキーも伝えると、バンドがスムーズにスタートできる。「Autumn Leaves、Gmで」のように。
知らない曲は正直に言う: 誰かが知らない曲を提案してきたら、「その曲知らないです」と正直に言って大丈夫。恥ずかしいことではない。
Real Bookのすすめ
ジャズスタンダードの楽譜集「Real Book」は、セッションプレイヤーの必需品。テーマのメロディとコード進行が1ページにまとまっていて、セッションの現場でもよく使われています。
ただし、Real Bookに頼りすぎず、定番曲は暗譜で演奏できるようにするのが理想。まずは上の10曲をReal Bookで確認して、テーマとコード進行を覚えるところから始めてみてください。
セッションマップで実際のセッションを探す
曲を覚えたら、あとは実際にセッションに行くだけ。セッションマップでは、今日・明日開催されるセッションを地図上で探せます。「初心者歓迎」の会場も多いので、まずはそこから始めてみてください。
10曲全部覚えてから行く必要はありません。3〜4曲でも十分。大事なのは、一歩踏み出すこと。
ジャズだけでなくファンクやブルースのセッションに興味があれば、ファンク・ブルースジャムセッション定番曲リスト もご覧ください。
※ 曲のキーや演奏慣習は会場やホストによって異なる場合があります。